ウマが私の生きる道

 

 

第七回 『幻の三冠馬』とダービー
01年のクラシックは、何と言ってもアグネスタキオンがすごかった。
デビューから皐月賞を含む4連勝で、
『3冠を狙える馬』と言われ続けましたが、ダービーを目前にして屈腱炎を発症。
その後『幻の3冠馬』と言われるほどの強さでした。

大本命が抜けて混沌としたダービーを制したのは、ジャングルポケット。
皮肉なことに元祖『幻の三冠馬』と同じチームでした。

ジョッキー、角田晃一。
トレーナー、渡辺栄。
オーナー、齋藤四方司。

奇しくもこの3人は、94年の朝日杯3歳S
(現・朝日杯フューチュリティーS)を圧倒的な強さで勝ち、
翌年の弥生賞まで無傷の4連勝をしながら、
皐月賞を目前に骨折により引退した
フジキセキと同じ組み合わせだったのです。

角田晃一騎手は、皐月賞で出遅れてしまい
ジャングルポケットの力を100パーセント引き出せませんでした。
きっと、その借りをダービーで返したかったに違いありません。

渡辺栄調教師は、あと数年で調教師を引退することが決まってました。
ダービー制覇を意識できる馬などほとんどいないでしょうし、
これが最後のチャンスと思ってダービーに臨んだに違いありません。

齋藤四方司オーナーは、せっかくの超大物をもてたのに、
大成する前に引退するという悔しい思いをしてきました。

このジャングルポケットという馬には、
いろんな人のいろんな思いが詰まっていたに違いありません。
その思いを乗せて、
ジャングルポケットは雨中の東京競馬場を先頭で駆け抜けました。

ジャングルポケットに限らず、
馬にはいろいろな人の想いがたくさん詰まっています。
G1を勝った馬にも、未勝利のまま終わった馬にも、
今週も来週も、いろいろな人の想いが走ります。

 

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